行政書士 高杉将寿
九回目のおすすめ書籍は、『なぜか印象がよくなるすごい断り方』です。断る事の重要性が大きく話題になったのは、勝間和代さんの著書『断る力』がきっかけではないかと思います。勝間さんは、私が今、タイムマシンに乗って20代後半の自分にたった一つアドバイスするとしたら、「『断る力』を一刻も早く、身につけること」と言うでしょう、と言われます。
わが国では「お客様は神様」の言葉が水戸黄門の印籠のごとく使われ、お客様のおっしゃることは神様のご神託のごとく、何でも言うことをきかないといけないとの認識が定着している様に思います。しかし「お客様は神様」はそのような意味ではない事を、言葉を発せられた三波春夫さんは、ホームページではっきりと否定されています。神様に歌を捧げるかのごとく、敬虔な気持ちで真実の芸を神様にお届けする。こうした意味で三波春夫さんは「お客様は神様」とおっしゃったのであり、お客様の無理難題を何でも聞く、奴隷のごとく扱われることを推奨されたわけでは決してありません。
とはいえお客様から上から目線で、殿様商売を推奨する訳でもないのです。どちらが上、どちらが下、というわけではなく、対等なフラットな関係でお互いの気持ちを大切にお取引しましょう、というのが理想的な顧客との関係のように思います。
しかし、起業されたばかりの方は実績等も少なく、力関係が弱い立場に立たされることもあるでしょう。その際に、是非この本を思い出して欲しいのです。この本の著者は、断る力を知らなかったが故に無理を重ねられ、生死をさまよう危機的状況を迎えられます。又、貴重なビジネスパートナーを過労のために失われ、パートナーが仕事を断ることが出来たら、と痛恨の思いで言を述べられます。
私は、庄原で起業をされようとするあなたは、とても大切な庄原の宝物の様に思います。ぼろ雑巾のように扱われ、ボロボロになることを絶対に望みません。ですから、もしも無理難題を押しつけられ断られたくなったときは、本書を思い出していただきたいのです。
著者:津田 卓也
出版社 : サンマーク出版 (2020/1/27)
発売日 : 2020/1/27
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 255ページ
ISBN-10 : 4763138189
ISBN-13 : 978-4763138187