行政書士 高杉 将寿
七回目のおすすめ書籍は、『2000人の崖っぷち経営者を再生させた 社長の鬼原則』です。著者は広島の方で、ブログの集客コンサルタントとして、全国的に有名な方です。著者は、中小企業の社長にとって必要なのは、高尚な理論ではなく、社長の意識改革と説きます。プライドと見栄を捨て、劣等感と甘えに打ち勝つ事が、会社がよくなる秘訣といいます。
著者はヤミ金にも手を出され、自殺寸前まで追い込まれ、そして講師として著名な現在ですらなお借金の返済中です。ご自身の過酷な境遇に加え、複数の知人の経営者の自殺にも遭遇されるなど、中小企業の経営者の幸せを祈るモチベーションは、並々ならぬものがあります。ですから、言葉も借り物の言葉ではなく、一字一句に血が通っています。
ご自身の大変に辛い実体験、支払が悪いお客に対してどのように対応したら良いか、ご自身が陥られた甘い罠とは、資金繰りのための様々なノウハウ、など貴重な情報が満載です。
学校で学ぶものが知識であるならば、本書は知恵を学ぶための本でしょう。この本を読んでおくことで大きなリスクが避けられるのであれば、これから起業される方にとって書籍代は非常にコストパフォーマンスの良い保険代になると思います。
余談ではありますが、中小企業の再生の現場にかかわられる方とお話しさせていただきました際、「ナニワ金融道」と「闇金ウシジマくん」は経営者の必読書にすべきではないかと、半分本気で話した事があります。ナニワ金融道は実際に会社を経営し、倒産させてしまった著者の過酷な人生経験が土台となっています。又闇金ウシジマくんの著者は、非常に綿密な取材の上で漫画を書かれると評判です。両書とも、リアルな人間の転落模様が描かれています。板坂社長がご覧になられた崖っぷち経営者の方も、「ナニワ金融道」と「闇金ウシジマくん」の転落していくキャラクターも、その要因は板坂社長が言われる①プライド②見栄③劣等感④甘えが原因なのかもしれません。
本を読む事のメリットは、他人の人生を追体験出来ることにあります。これらの本で恐怖を追体験し、誰もが捨てがたい、①プライド②見栄③劣等感④甘えを断ち切るきっかけになると良いのではないでしょうか。
著者:板坂 裕治郎
出版社 : かんき出版 (2018/5/25)
発売日 : 2018/5/25
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 244ページ
ISBN-10 : 4761273461
ISBN-13 : 978-4761273460