行政書士 高杉 将寿
六回目のおすすめ書籍は、『起業のすすめ さよなら、サラリーマン』です。「起業は最高の自己実現だ。自分が良いと思ったサービスを世に問い、共感をいただき、お金もいただける。起業家は本当に幸せだ。」との言葉を聞いたことがあります。本書においても、起業家になる醍醐味とは?問いに対し、「それは自分の人生の「独裁者」になれることです。自分の責任で、自分で決断して、自分の大義のために生きることができる」と述べ、起業は自分らしく生きる道と説きます。
著者がスタンフォード大学大学院の修士号を取得しておられるだけあって、本書は非常に論理的で、理路整然としています。起業家のタイプを区分し、タイプ毎の成長戦略を示唆します。又、起業を成功させるためのステップを五つに分類し、段階毎の具体的行動を明らかにしています。又起業はリスクの高い行為であるとの批判に、ロジカルに否定します。
論理的な思考に基づく行動を好まれる起業家さんにとっては、本書は正にうってつけと思います。本書は引用と自説が明確に区分されており、書籍内の興味がある箇所を掘り下げて調べたい場合、引用元を当たることが出来るようになっています。本書は、昨今の国内外の起業本の入門ガイド的な位置づけにあると思います。まずは本書にて起業の基礎知識を概観され、事業計画・ファイナンス等の項目毎の知識を引用文献から深めていただくと、より深い情報が得られるのではないかと思います。特に起業にあたり、どなたかから出資を募る必要がある、金融機関から多額の融資を必要とする場合には、本書は必読の書となると思います。本書で述べられている引用文献も良書が多く、大型のスタートアップを希望される起業家様にはお勧め一冊になると思います。
著者:佐々木 紀彦 (著)
出版社 : 文藝春秋 (2021/10/26)
発売日 : 2021/10/26
言語 : 日本語
単行本 : 256ページ
ISBN-10 : 4163914595
ISBN-13 : 978-4163914596